お客さんがたった一人の芝居

お客さんがたった一人の芝居

出演役者の数よりお客さんのほうが少ない、ということが現在でもあるんだろうか。

僕が大学のときに、演劇サークルの仲間と下見のため池袋の小さな劇場に行った。しかし下見時間が劇場と合わず、しょうがないので上演されている舞台を見ることにした。

僕たちは3人で行ったのだが、僕たち以外のお客さんも3人だった。合計6人である。役者さんは10人ほど。

役者の方が多い… 僕たちが下見で訪れなかったらお客さん3人だったわけだ。

しかも内容が凄い。下ネタオンパレード。

劇団名も未だに覚えているくらいだから、その劇団の勝ちと言えば勝ちかもしれない。

それにしてもいろんな意味で衝撃だった。こりゃお客さん来ないよ…

3人でドン引きしながら劇場を出た。その劇場は使わなかった(笑)


以前ブログで僕は後輩と演劇ユニットをやっていたと書いた。

そのユニットの旗揚げ公演の時だった。

時期は9月。

まさに公演の当日、台風が東京に直撃したのだ。

交通機関全部ストップ。かろうじて動いていたのはタクシーのみ。

主宰者という立場もあり、僕は強風と大雨の中、歩きと何とかつかまったタクシーで劇場に向かった。

こういう時って何故か一致団結するもので、他のメンバーも何とかやって来るのだ。

残すは役者あと一人。

彼が劇場に到着したのは開演15分前。

当然お客さんはゼロ。

今ならメールやホームページやSNSで中止ですとお客さんに連絡出来るが当時はそこまで普及していなかった。

まあ、どうせお客さんは来ないから、酒でも買ってきて劇場で飲もうという話になりつつあったその時、開演時間ギリギリでお客さんが一人来たのだ。

雨でずぶ濡れになりながら、

今日お芝居やりますか?

やるに決まってるでしょ、こんな日に来てくれたんだから。

かくして僕たちは慌てて準備をし、そのお客さん一人のために芝居をした。

こういう時って役者もテンション上がっていい芝居するのよね。

あとにも先にもお客さん一人というのはその時だけ。お客さんって本当にありがたいなって思ったひとときだった。

もう嫌だけどね。

というわけで、僕たちを安心させるためにチケットはお早めにね。


「BACK from BACK2022」

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