稽古初日と新作台本

稽古初日と新作台本

月曜日、ラスコ立ち稽古初日。

稽古前、喫茶店で台本確認と稽古内容を考える。なにせ時間が少ないから、じっくり見るということが出来ない。いきなりラフ通しでセリフの入り具合をチェック。
さすが、八割方みんな入っている。そりゃそうだ。覚えとかなければ役者だって危機を感じるわけで。
あとはいつもの思いつき演出で進める。その場その場が面白くなると思えばやってもらう。実際にやってもらったり、台本読みの時に思いついた箇所も立って面白くならなさそうならカット。その繰り返し。芝居作りも「PDCA」が大事ってこと。

演出なのに自分でキャスティングをやっていないというのは初めてなので、探り探りで行きたいところだがそうも言っていられない。受けのシーンが多い人は今日は流して、小ネタを入れられる人はどんどん入れていく。芝居を固める段階だと小ネタは入れられないから今のうち、という感じ。本当はワンシーンずつ練って行きたいところだが、今回はOK、NGの判断を早くしなければいけない。
役者としては何度もやり直してセリフや動きを身体に入れたいだろうから、できるだけ繰り返してやってもらうことを心がける。しかし本当なら立ち稽古初日ではやらないようなところまでやってもらうから、いきなり変えたところや追加シーンなどでみんな四苦八苦したかもしれない。

妥協はしないが、制約があるかぎり割り切らねばならないところも出てくる。目線一つ、指先一つで表現出来る役者になってほしいし、癖のある役者もいる。細かく見てあげたいんだけどねえ・・・

僕は常に役者に「考えて悩む」姿勢でいて欲しいと思っている。
お互いが高みへ行くために。
というわけで、次回稽古が楽しみである。

というようなことをやりつつ、来年上演される朗読劇のオファーが来たので書き始めてもいる。
今回は短編で二本。提出したプロットはOKが出たので、今月末までには書き上げたいところだ。

空間にせよ、朗読劇にせよ、今回のラスコの平野君にしても、僕の脚本を愛してくれる人がいるのはありがたいことだ。期待を裏切らないように気合いを入れていかなければ。

脚本家は孤独だけど、いまだ諦めず高みを目指すために一人で頑張っているのだよ、うん。
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